●ピクチャーブック "-The future of an illusion- ある幻想の未来"


~ボクはいつだって「デカイ一発」を待っていた。20年前学生が暴れてた時「お、デカイやつがくるぞ!」と思った。アポロが月に行ったり、石油がなくなりそーだったり、ソ連がどっかに侵攻したり、昭和が終わりそーだったり、そのたびに「今度のはデカいぞ」と思った、だけどどれも震度3、ブロック塀が倒れるテード。顔を見あわせ、「すごかったね」で笑って終わりだ。~ (しりあがり寿「夜明ケ」より)


『来なかった未来を造る』 20世紀の後半、防衛白書で核シェルターの整備の必要性が論じられている様に、こんな未来像は決して絵空事ではありませんでした。この時代を生きた日陰者に。

この作品集はシリーズ「廃都紀行~Journey of Tokyo Exclusion Zone」から成る作品集です。このシリーズは90年代の架空廃墟ドローイングの流れを汲む連作として2007年に始まりました。

未来人が視た廃墟になった東京という想定の下、50枚ほどの作品全てが、同じフィクション世界を切り取ったかの様に見える様に制作してあります。

地域ごとに日付・季節・天候が設定されており、個々の作品ごとに矛盾が生じぬ様、位置関係や街の様子まで統一性を持たせた連作です。

画集にするにあたって、未来人の旅を追体験できる架空の旅行写真風の構成としました。足取りが分かる様、時系列と地理に注意を払いました。エリアごとに地図が挿入されます。

タイトルはS・フロイトの著書に因みます。


2012年初版発行。B5版、44ページ、収録作品数25点、図版フルカラー。

首都圏のアートイベント・即売会の他、オンラインショップでもお取り扱いしております。

下巻はこちらに御座います。

21世紀まで4000日もあった頃、煌びやかな社会の片隅で行く所も帰る場所もなかった人たちへ。
来なかった未来、造りました。
此処が、よわものどもの夢の國。


銀座7丁目交差点(A)~銀座4丁目交差点(B)~有楽町2丁目(C) 連続風景イメージビデオ

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